菜の花がつなげたハピネスウェディング 旅するチャペルと仲間たちの想いが起こした奇跡のお話

ルーロット

ルーロットは旅するチャペル。
ある日、ルーロットは菜の花畑での結婚式を夢見るブラウニーとパンナのふたりに出会います。
結婚式に間に合うよう、ふたりは菜の花を懸命に育てますが、結局咲くことはありませんでした。
そしてとうとう、ルーロットは次の結婚式会場へと出発してしまいます。
しかし、ルーロットは見失いかけていた「やさしさ」に気づき、菜の花で皆の心をつないでいき…。
優しいタッチで描かれた心温まるお話。

さすらいのルーロット書影

さすらいのルーロット

作:かなざわまゆこ

AB判・上製・40ページ
定価:1760円(税込)
ISBN :978-4-907108-69-4
2020年8月下旬刊行

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かなざわまゆこ

神戸市生まれ。京都嵯峨芸術大学大学院修了(最優秀賞)日本児童出版美術家連盟会員 • 環境芸術学会会員
日本の自然観の魅力を絵本 • 映像アニメーションや手描き絵画を用いたインタラクティブアートなどで表現する活動から、外務省『日本ブランド発信事業』派遣芸術家に選出される。著書に『ぼくぱぐ』『ポワン』『てんからのおくりもの』(出版ワークス)『地震がおきたら』(BL 出版)『十二支のはじまり』(ナーチャーウィズ株式会社)がある。

オフィシャルサイト:http://www.mayuart.com

かなざわまゆこ
2011
「おおしま国際手づくり絵本コンクール」最優秀賞・文部科学大臣賞
2011
「神戸ビエンナーレアートインコンテナ国際コンペティション」奨励賞
2012
「第1回Kawaii+ 大賞展」グランプリ
2014
「動く絵• 金澤麻由子」ヤマザキマザック美術館(名古屋)
2014
「ワンダフルワールド」東京都現代美術館(東京)
2015
「動く絵画〜うつろい いろは〜」アンデルセン公園子ども美術館(千葉)
2018
「外務省『日本ブランド発信事業』基調講演・展示」キエフ工科大学(ウクライナ)、王立工科大学(スウェーデン)、ベオグラード第八高校(セルビア)
2018
「Imaginarium」Singapore Art Museum (SAM)( シンガポール)
2018
「第5 回ADADA 学術大会」優秀賞受賞
2018
「アジアデジタルアート大賞展FUKUOKA」インタラクティブアート部門入賞

エイプリルフールの、嘘みたいな、夢みたいな、ホントの話。~『さすらいのルーロット』の裏話~

菜の花畑での結婚式

私は、ずっと一貫して作品のテーマにしてきているのは「癒し・心の潤い」です。
特に、今回の新作絵本『さすらいのルーロット』では、頑張りすぎて心を壊してしまう方を一人でも多く癒したい、そんな想いで作りました。
現代社会において、自然やふるさとから離れ、助けを求められず頑張りすぎて心を壊して方々が増えています。そんな中、私は普段から頑張っておられる大人たちや子どもたちが、絵本『さすらいのルーロット』を読んで少しでも癒しになり、そして「自分を大切にする時間」を持ってもらえる手助けになればと願っています。

私は美術を志して以来、絵本・映像アニメーション・インタラクティブアートを手掛け、国内外の美術館での発表や、外務省『日本ブランド発信事業』派遣芸術家に選ばれるなど光栄な機会にも恵まれてきました。そんな矢先、完璧なパフォーマンスを届けたいと孤軍奮闘するあまりに、オーバーワークとなり体を壊してしまいました。

「まさか私が・・・こんなはずじゃなかったのに・・・」

不自由な体は1年以上長引き、出口の見えない不安な毎日を過ごしていました。さらに、子どもの頃から夢に描いていた菜の花畑の結婚式が控えていた春、私の夢を砕くことが起きました。

「それは・・・私たち夫婦で、秋に種植えした菜の花が咲かなかったのです」

諦めきれず、近所の農家さんに菜の花を分けてもらっては、一人で植え替えを始めました。主人も一緒に手伝ってくれましたが、それまで小さな畑だと思っていた挙式会場の広さに私たちは途方に暮れました。

そんな四苦八苦している私たちの姿を見かねた農家さんが、次々に仲間に声をかけて集まってくださり、やがて、菜の花の植え替えは一大プロジェクトに発展しました。
翌週末を挙式に控えた、よく晴れた4月1日の日曜日、朝早くからたくさんの農家の方々が駆けつけてくださり、その日の夕方、一日にして、私の目の前に約1500㎡一面の菜の花畑が目の前に出現しました。

「エイプリルフールの、嘘みたいな、夢みたいな、ホントの話」

それはもう、とても美しい光景で同時に温かいものが胸に広がっていきました。
それまでの私は、ずっと自分一人だけで乗り越えようともがいてきました。それが夫と出会って「ふたり」になり、農家さんたちと出会って「みんな」になりました。

人の思いやりに触れ、世界が優しいものに変わっていく過程で、張り詰めている心が癒され長年の体調不良も治っていったのです。

私は過去の自分のように、 一人で抱え込み、悩んでおられる方に向けて「一人じゃないよ」と絵本で希望を伝え、一人でも多くの方々を癒し、絵の力で救えられる事できたらと強く願っています。そんな気持ちでできた作品が、絵本『さすらいのルーロット』なのです。

※「ルーロット」とは、神戸を拠点に実在している移動式ウェディングのチャペル・カーです。

かなざわまゆこ公式ブログより