ある朝、起きてみたら“僕”は猫になっていた。奇妙な扉を抜けると、そこには牧歌的な風景が広がっている。
レンゲ畑にサクラ並木……懐かしさに満ちた心の景色。突然の出来事に戸惑っているところに、突然現れた1匹の白猫。
白猫に誘われ、向かった先には……。
「ねこになりたいなぁ……」
部屋で気持ち良さげに昼寝している飼い猫を眺めていると、ふと、そういう想いに耽ってしまうことがあります。
この物語は、多くの人々が一度は体験する、ちょっとした日頃の願望を下敷きにしています。
人生には「思いもよらぬこと」「自分が思い描いたとおりにならないこと」が多々あります。
でも、どんな時でも、最後にこう思えたら幸せだと思います。「まぁ、いいか」と。
この絵本を読んで、そんな気持ちになっていただければ幸いです。
2019年6月 山口哲司
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